東芳会ゆかりの愛好家・明官俊彦さんToshihiko Myokan,an enthusiast affiliated with the Tohokai
- nsbonsaik
- 2 日前
- 読了時間: 3分
小品盆栽の愛好会である東芳会(武蔵野北支部)には、これまで多くの愛好家が集い、活動を続けてきました。その中のお一人に、明官俊彦さんという方がいらっしゃいました。
明官(みょうかん)さんは、小品盆栽の育て方を樹種ごとに解説した『樹種別 小品盆栽の育て方〔Ⅰ〕〔Ⅱ〕〔Ⅲ〕(グリーニングブックス)』(全3冊)を三友社から、出版されています。
今回は、その全3巻を並べてご紹介します。
著書の言葉に「私は幸せものだと思います。自分の願いより十五年も早く、三冊も盆栽書を書かせてもらったことです」とあります(第3巻)。

表紙の屋上棚場の写真にも圧倒されますが、本を開くと、松柏類から雑木類、花もの・実ものまで、さまざまな樹種の育成方法が写真を交え紹介されています。当時、実際の栽培経験をもとにした小品盆栽本は珍しく、ハードカバーの本ですが、愛好家の皆さんがよく読んだそうです。今から50年以上も前ですが、小品盆栽を学ぶ方にとって貴重な資料だったといえるでしょう。各巻に掲載されている主な樹種についても下記に転記しました。
〔Ⅰ〕欅 五葉松 ツルウメモドキ モミジ 杜松 ウメモドキ カナシデ タイワン楓
八房エゾ松 ピラカンサ 深山霧島ツツジ イボタ 姫リンゴ(13種)
〔Ⅱ〕富士桜 黒松 黄梅 海棠 ヒメシャラ 梅 杉 檉柳 唐楓 楡欅 マユミ ブナ
寒ボケ(13種)
〔Ⅲ〕柘榴 白丁花 クチナシ ベニシタン 旭山(桜) 百日紅 キンズ
チリメンカズラ サツキ コメツツジ 錦木 ソロ(12種)

東芳会の月例会で、先輩方にお話を伺うと、今でも時折、明官さんの思い出話が出てきます。経歴には24歳で上京、見習工から立身出世、当時は鉄工会社の社長(専務取締役)を務めていたそうで、1958年頃から趣味として小品盆栽を始め、1970年代当時はご自宅の屋上には沢山の小品盆栽が並んでいたそうです。本の中にも「1300余鉢(第3巻には2000鉢、樹種120種とある)」と記されており、数の多さに驚かされます。
また、雑誌『自然と盆栽』を発行していた三友社、主筆の北村卓三氏とも交流があったそうです。三友社本社も練馬区石神井に位置していた時期があり、本の「はじめに」には、それぞれ発行人として北村氏から寄せられた言葉が掲載されています。当時の小品盆栽界の人々の想い、つながりが伝わってくるようです。

また、当時の話では日本各地(関西から東北まで)の盆栽園を精力的にめぐり、交換会も熱海の温泉宿を貸し切って開催されてたこともあるとか。丁度小品盆栽の爆発的なブームが起こり、鉢の値段も高騰したそうです。晩年には相模湖の湖畔に「明官小品盆栽研究所」を開設、仙台支部の三浦さんは何度かここを尋ねたことがあるそうですが、熱気のあった時代だったそうです。
赤あり、緑あり、黄緑あり、一斉に新芽が萌え出し、色とりどりの花を競い合う、春の盆栽棚には、若やいだ生命の躍動があります。1.7メートルの棚巾に、十八列に並んだチビッコ共、どれもこれも、みんな可愛いものばかりです。
(第2巻カバー裏の言葉)
本は最近では古書店やネットの古書サイトなどで見かけることもあります。もし本書に出会う機会がありましたら、ぜひ手に取ってみてください。頁をめくるたびに、先人たちが積み重ねてきた小品盆栽の歴史や技術に触れることができるはずです。
このシリーズ以外にも雑誌『自然と盆栽』の記事、杉本佐七さんの著書、シリーズもので別の3冊セット、他にも単著1冊『全国 名木小品盆栽 鑑賞と木づくりのコツ』(明菅俊彦編)(表紙の写真が同じケヤキの木ですが少し変化があります)など、確認するだけでも著書や記事を探すことができます。
発行から半世紀、東芳会の活動や会員の展示は、東芳会ホームページ、Instagramでも紹介されています。ぜひ合わせてご覧ください。



コメント